所得隠し・税金申告漏れのNEWS
こんにちは。ミライ経済Lab.株式会社 代表の神田千鶴です。
ここ最近、著名な芸人さんに所得隠しと税金の申告漏れがあった
というニュースをネットで頻繁に見かけます。
このニュースを見て、私は、税金について改めて考える機会をもらった気がしています。
というのも、
私自身は、
公認会計士になる前と後で税金に対する考え方に変化があり、
更に
NPOを立ち上げたいと思ってから非営利のことを色々調べる中で、
徴税制度に疑問を抱くようになっていたので、
今回のことを受けて、
「みんなで税金のことを考えたいな」
「タックス・リテラシーを向上させたいな」と、思ったわけです。
それは、税金申告というルールはちゃんと守ろうね、みたいなお話しではなく、
そもそも、税金って何で納めないといけないんだっけ?という「そもそも論」まで遡及します。
私は、公認会計士になる前は、税金は「搾取されるもの」で、
せっかく稼いだ微々たる収入から税金として搾取していく国や地方自治体は、
まるで敵のような感覚でいました。
つまり、税金は、『納めたくないもの』で、節税をしている人は肯定的にみていたし、
脱税した人には、「まぁ、気持ちはわかるよな」と思っていました。
でも、
公認会計士になって、経済社会の仕組みを俯瞰的にみることが多くなってから、
「あ。税金があるから、安心して暮らすことができるんだった。」
と今さらのように気付きました。
「税金がなければ、アスファルトできれいに舗装された道もないし、
夜道は、明かりがなくて歩けないし、
ごみを決められた場所にそっと置いておくと、ちゃんと持って行ってくれることもないし、
安全な水をじゃぶじゃぶ使うこともできないのか…」と。
当たり前すぎて、まったく意識していなかったけど、
生活インフラは税金が財源なわけで、
もし税金がゼロになったとしたら、
ごみは自分で焼却し、ぬかるむ道を靴を汚しながら歩く…
医療費だって、税金が投入されているから、
税金がないと、病気になっても、病院にさえ行けないかもしれないんだ…
教育費は・・・?
と次々妄想すると、恐ろしくなって、
しっかり稼いでしっかり納税しよう、という気持ちに変わりました。
生活インフラに税金投入はいいんだけど、、、
色々なところに税金の無駄遣いされてるのがイヤなんだよねー
という声が聞こえてきそうですね。
確かに、それは思います。
でも、だから税金納めないことに努力を傾けるっていうのは、
それでいいんだろうか、って気がしませんか?
しっかり納税して、使い方をしっかりチェックする、なのでは?
と思うのは私だけでしょうか?
経費として落とさないと損、みたいなスタンスでいて、
国税局と揉め、挙句、「所得隠し」と言われてしまうよりも、
文句言わせないぞ、くらい堂々と潔い会計処理するスタンスでいて、
この駅前の街灯は自分が設置したに等しいな、ふふふ、ぐらいに思える方が、
カッコいいな、と思ってしまうのは私だけでしょうか?
ただ、
徴税制度はもう少しなんとかならんですか、、、と思います。
現在の日本では、圧倒的に会社勤めの人が多いので、
給料から自動的に税金が控除されてしまい、
納税している感覚が乏しく、
そうすると、
税金が何にどういくら使われているのか、しっかり確認しようという気持ちになりにくいと思うんです。
個人事業主は、個人の自発的納税に任されているから申告モレが多発するわけですし。
さらには、寄付の仕組がほぼないと言っていいのが残念です。
海外では、寄付文化が根付いているのに対し、
日本ではそれがない、と言われることがありますが、
これは仕組の違いだと思っています。
もちろん、海外は宗教的に寄付が根付いている面もあるかと思いますが、
海外では、税金として国に託すか、NPOなどに寄付という形で託すかを選択できる制度なので、
国には任せられるかー!と怒る人は、納得する活動をしているNPOを探してそこに託す、
これが海外の寄付に関する仕組みだと私は理解しています。
日本は、寄付しても、税金の一部が免除されるだけ。
つまり、どっちに託す?みたいな大胆な選択ができる仕組みではないし、
それに近づけようと導入されたふるさと納税は、全く違う使い方をされていて、悲しい限りです…
ぼくらは、みんなで 生きている、
そのためには税金が必要で、
利己基準の発想だけで行動していては、
みんなも自分も生きていけないんだ
と私は思っていますが、
あなたはどうですか?
今回のニュースで何を思いましたか?
あなたの去年の納税額はいくらか、即答できますか?
あなたが税金から受けている恩恵はいくらぐらいの感覚ですか?
あなたの会社はどうですか?
この機会に税金について、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。