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ベンチャー企業の監査役の監査計画を考えてみる - ミライ経済Lab.株式会社‐企業改革に関するお悩みをサポート

コラム

ベンチャー企業の監査役の監査計画を考えてみる

カテゴリ: コラム 作成日:2021年05月31日(月)

こんにちは。ミライ経済Lab.株式会社 代表の神田千鶴です。

 

先月は、ベンチャーの監査役の役割について、

IPO準備というイベントと、どう関わっていくかについて考えてみました。

 

今回は、

私が会計監査人から監査役に転身して一番驚いた 『監査計画』 についてまとめてみます。

 

監査役に就任して、監査役監査の情報を集めはじめて感じたことは、

監査手続については、監査手法の説明が多いな、ということでした。

いえ、むしろ、監査手法の情報しか目に入ってこないのです。

監査役の実施することは、

・各種会議への出席

・監査計画の策定、監査の実施と監査報告

・役員とのコミュニケーション

・内部監査人、監査法人との連携

などがあります、みたいな情報です。

 

 

これだけの情報で「監査役監査、大丈夫なのか。。。」

と老婆心ながらとても心配になっています。(現在進行形)

 

 

私が会計監査人として13年間で刷り込まれた監査手続きは、こんな感じです。

まず、企業分析。 

次に、同業他社と業界分析。

更に、経済全体の動向分析。

そして、これらを基にした当社のリスク分析と評価。

最後に、リスクに応じた検証のゴールを明らかにし、監査手続を決める

 

この一連が 『監査計画』 で、

これらをすべて監査調書に記録します。

 

ですが、監査役の監査計画調書の雛形を入手してみたところ、、、

分析部分のフォームはなく、いきなり監査基本方針と監査手続の例が列挙されていて、

めちゃくちゃ驚きすぎて、「うそ、、、だよね、、、」と思わず声が出てしまいました。

 

 

で、私はどうしたか、といいますと、

就任1年目

分析のための情報収集と企業理解をしていたら、あれよあれよと時が過ぎてしまい、

脳内で各種分析→リスク評価→検証ゴールの明確化 を終わらせ、

監査手続の部分だけ既存の雛形を利用させてもらって監査調書にしました。 泣

 

就任2年目(現在)

よし、当期は分析調書をつくろう! と意気込んだまま、

IPO準備のイベントにがっつり関与するのを優先しなければいけない事態になり、

脳内で各種分析→リスク評価→検証ゴールの明確化 を終わらせ、

監査手続の部分だけ既存の雛形を利用させてもらって監査調書にしました。 号泣

 

 

というトホホな状態ですが、

来期こそ、必ずや!と思っております。

 

特にベンチャーは、企業環境が月ベースで激しく動くことも“普通”なので、

決定したことの前提記録が残っていなければ、どこをどう見直しすればいいのかもわからなくなります。

 

監査計画は、期初に立てたら終了、というものではなく、

期末まで延々と見直しをするものなので、

見直しの変遷も含め、調書という見えるものにしておくべきだと思っています。

 

 

分析調書の雛形ができた暁には、うれしくて泣きながらご報告するとおもいます。

そして、分析のポイントなどもシェアできれば、と目論んでおりますので、

お楽しみにお待ちください!

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