アメリカ大統領選挙で思い出したこと
こんにちは。ミライ経済Lab.株式会社 代表の神田千鶴です。
アメリカの大統領選挙、まだゴタついていますが、
一応、結果は出ましたね。
4年前は、ヒラリーさんが「ガラスの天井を打ち破れなかった」と敗北宣言し、
今回は、カマラさんが「ガラスの天井にヒビを入れた!」とマスコミが大騒ぎしています。
この 『ガラスの天井』 理論は、
起業した女性経営者をも縛っているのだな、、、
最近、ふとそう思いました。
弊社は来月で創業2年を迎えますが、
この2年間、
女性経営者を支援させて頂くことが何度もありました。
対象は、創業期から成長期にある会社の経営者の方々で、
どの女性経営者も皆さん前向きでアグレッシブでエネルギッシュ。
会話していても、こちらまで元気を頂きますし、とても頼もしく感じます。
なのですが、、、
同時並行で支援している、成長期にある会社の男性経営者と比べると
成長のスピードもボリュームも全然違う。
と、いう気がしたのです。
パワフルな経営者というのは共通なのに、
男性と女性で違いがでるのかしら、、、
考えてみて1つピンときたのは、
有益な経営者用ネットワークを持っているか否か、
ではないかということ。
企業の役員に女性が少ない一因が
オールド・ボーイズ・ネットワーク(元IBM取締役 内永ゆか子さんの言葉)の存在
というのはよく聞きます。
ベンチャーの世界もご多分に漏れず
ベンチャー・ボーイズ・ネットワークが確立しています。
ベンチャー経営者同士で切磋琢磨したり、
大企業の先輩に助言を求めたり
経営を推進するための強力な “武器”を持っています。
これに対して、女性経営者は、そんなネットワークを持っていないし、ツテもない。
そういう方が多いのでは、という気がしました。
もちろん、女性経営者で有益なネットワークをお持ちの方はいますし、
ベンチャー・ボーイズが彼女らを疎外しているのでもありません。
もし彼女たちがそのネットワークを知っていても、加わっていない可能性も高い。
なぜなら、ベンチャー女子たちにはボーイズの空気が合わない気がするのです。
なぜ空気が合わない気がするのか。
それは、
『経営』との向き合い方が、決定的に違うから
ではないかと思っています。
私の見聞きしてきた経営者たちを思い浮かべての自論なので、完全なる偏見で、
ベンチャー業界全体を示唆する普遍的な事実ではないことを念押しして続けます。
一言で表現すると、
ベンチャー・ボーイズのスタンスは、パラシュート型
ベンチャー女子のスタンスは、ビラミット型
に私にはみえています。
つまり、ベンチャー・ボーイズは、目標点まで想像の中で一気に飛び、
さあ、ここにくるまでにどういう道を辿ろうかと
パラシュートで降りながら、考えながら、現実の地面へ着地してくる
自分に足りないものが明確なので、上手く支援も使える。
これに対し、ベンチャー・女子は、まず現実の地面を見つめ、
その場で、ピラミットをぼんやりと想像しながら、さて、どうやって石を積んでいくか、と考える。
下から着々と積み上げて、その度に自信をつけて次に進む。
そしてある日、急に天井にアタマをぶつける時がくる。
想像したピラミットが完成するまで、まだまだなのに、、、
誰も何も教えてくれなかったし、今から誰に何を聞けばいいんだろう、と困り果てる。
ガラスの天井というのは、
元々、ピラミット型のスタンスである女性が、
必然的に遭遇するものなのだと、改めて感じました。
ならば、
下から天井を見上げて叩き割ろうとするのでなく、
意識的にパラシュート型になって、
屋根から下に向けて勢いよくお尻で飛び乗れば天井ぐらいすぐ壊れるのでは。
と、思うのは楽観すぎるでしょうか。
パラシュート型の経営スタンスだと、
- 経営のスピードが圧倒的に早まります
- リスクテイクが大胆になります
- 過程に満足せず、成果へ執着するようになります
- 将来ビジョンのスケールが大きくなります
なぜなら、目先の目標でなく、最終ゴールを最初に、明確に見据えているからです。
念の為申し添えますが、ピラミッド型が悪いという話ではありません。
出来上がってしまっている“元”男性社会の経済界で、しなやかに女性が経営していくには、
したたかな戦略行動も必要で、発想の転換も一考だということです。
パラシュート型に転換すれば、アドバイスをもらえる人はたくさんいるでしょう。
でもやっぱり私はピラミット型、という人には、
ガールズ・ネットワークを構築するのも戦略のひとつですね。
試行錯誤し、切磋琢磨すると、すごい相乗効果も期待できそうです。
そんな女性経営者を支援する様々な『種まき』は既に始まっていますので、ぜひお楽しみに。
「ガラスの天井、昔あったね、そんな表現」と多くの女性が笑える日を想像しながら
精進するぞー!と思った出来事でした。