メニュー

ベンチャー企業の監査役の監査計画を考えてみる まとめ - ミライ経済Lab.株式会社‐企業改革に関するお悩みをサポート

コラム

ベンチャー企業の監査役の監査計画を考えてみる まとめ

カテゴリ: コラム 作成日:2021年10月29日(金)

こんにちは。ミライ経済Lab.株式会社 代表の神田千鶴です。

 

9月から再開したベンチャーの監査役シリーズ、

監査計画については、5月と9月の2回に渡り思いの丈を綴ってきましたが、

今回、まとめてみることにしました。

 

 

ではまず、2回の反芻をしてみますね。

 

9月のコラムでは、

監査計画は期首までに策定するものなのか論争について綴りました。

未上場のベンチャー企業は、会計監査人が不在のため監査役が会計監査も担うので、

監査終了は、翌期の第1四半期に食い込みます。

その結果を翌期の計画に織り込むため、翌期首時点で計画立案はできず、

通常は第1四半期中に計画立案することになるはず、とお伝えしました。

つまりは、

監査計画には、前期の監査で発見された課題を吟味して、計画に織り込まないといけません。

発見された課題そのものを翌期の監査重点項目とする場合もあるでしょうし、

その課題に関連して懸念事項が浮き彫りになるというケースも考えられます。

例えば、ある子会社で売上の計上誤りが見つかり、それが管掌役員の最終チェックの甘さが

一要因だとするならば、同じ役員が管掌する他の子会社は大丈夫か、

という懸念事項が浮上するでしょう。

それについて何の考慮もせず、翌期の子会社往査は以前に決めたローテーション通り、

と計画していたなら残念極まりない、という話しになります。

 

 

5月のコラムでは、

監査計画は基本方針と実施手続きを羅列するだけでいいのか問題について綴りました。

確かにどちらも計画に必須ですが、公認会計士の私にとっては、これだけで監査ができるとは

到底思えません。

つまりは、

監査実施には、まず企業がさらされているリスクを分析して、

違法行為や不正、誤りがどこに発生しやすいかを推測し、

内部統制でどこまでケアできそうかを吟味した上で、

監査領域と時期、監査の方法を決める必要があり、

これらすべてが監査計画として記録されているはず、ということです。

 

 

 

そして、今月はまとめの回として、、、

最後に

3択問題です。

監査計画が『確定』するのはいつでしょう。

 1.監査計画を策定した時(監査が開始される時)

 2.監査計画を策定し、監査が開始された後、計画修正が完了した時(監査中)

 3.監査が終了した時

 

どうでしょうか。

これ、公認会計士受験生が1度は間違える問題です。

そして、公認会計士は、実務を通して肌感覚で1でも2でもないと知っている事です。

そう、正解は3です。

 

なぜこんな問いかけをしたかといいますと

監査役の監査計画が、監査の結論とつながっていないのでは、と心配になったからです。

 

これは、もしかしたら、監査役の監査計画に限らず、

一般的な計画にもいえることかもしれません。

 

PDS(Plan、Do、See) とよくいいますが、Seeって何をSeeしていますか?

Doの実態について反省したりしていませんか?

DoはPlan(目的)のための手段でしかありません。

なので、Seeの対象はPlanつまり、目的が達成できたか、の吟味なのです。

つまりは、

計画は立案したら終了ではなく、

それを実行しながら、

そして実行の結果を受けて、計画した目的に合致したか、

実行開始から最後まで、ずっと指差し確認しないといけないのです。

 

 

 

今まで何度かお伝えしていますが、

私の脳内にある監査計画調書が見えるカタチになればシェアし、

みんなでブラッシュアップしていければいいなー

と目論んでおります。

企業の監査品質を一緒に高めていきたいですね!

Copyright © ミライ経済Lab.株式会社 All Rights Reserved.