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ベンチャー企業の監査役は女性が適任!と思う理由 - ミライ経済Lab.株式会社‐企業改革に関するお悩みをサポート

コラム

ベンチャー企業の監査役は女性が適任!と思う理由

カテゴリ: コラム 作成日:2021年12月29日(水)

こんにちは。ミライ経済Lab.株式会社 代表の神田千鶴です。

 

今まで6回に渡り、ベンチャーの監査役について自分の思う所を書き留め問いかけてみました。

本当は、もう少し問いかけてみたいことがあるのですが、

それはまた別の機会に、

ベンチャー企業の監査役ガイドライン的にまとめようと思っているので、そこで書き留めることにします。

 

ということで、

監査役シリーズは今回が一旦最終回。

ベンチャー企業の監査役の適性について

私の考えを展開してみます。

 

 

結論からいうと、タイトルにある通り、

女性が適任な気がしているのです。

 

そしてそれは、

『この時代に』 IPOを目指すベンチャー企業にとっても

管理職や役員になることに戸惑うビジネスウーマンにとっても

相互ハッピーなだけでなく、すごい相乗効果になるのではないか、と気付いてしまいました!

 

え⁈そんな新しいキャリアプランがあったなんて!

と驚愕しているビジネスウーマンの方々

 

でも私にも務まるのかしら?

と一瞬で不安になったビジネスウーマンの方々

 

ちゃんと理由を説明しますので、ぜひ熟読してください‼

視点としては、①素養 ②経営環境と市場動向 ③働き方 という面から考察します。

 

 

ではまず、

ベンチャー企業の監査役の素養を私なりに定義してみます。

 

ベンチャー企業の監査役として必要なのは、

強い責任感 と 非常に強い使命感。

これに尽きると思っています。

 

ベンチャーに限りませんが、会社の役員は、経営責任という重責を負います。

監査役も役員ですからご多分に漏れず、なわけです。

でも、恐れることは全くありません。

必要なのは、経営責任を負うポジションだという自覚をもつことと、

会社を信用してくれている人たちを欺くような経営をしていないか、

一般的な感覚で観察をする姿勢をもつこと。

それをしっかり実行することが、ここでいう監査役の強い責任感です。

 

非常に強い使命感というのは、

監査役の肝となる 『独立性』 を常に維持する自覚と姿勢です。

監査役は、第三者的な視点で物事をみて、歪んだ行動を正すよう促す役割を担います。

「今回だけは見逃して!」「これぐらいはOKにして!」という仲間からの懇願に情をかけては

役目が果たせません。

これ、実際は正直しんどいことです。

だからこそ、役目を果たすぞ、という非常に強い想いをキープし続ける必要があります。

 

私の偏見もありますが、ビジネスウーマンの多くは、

「社内政治」や「社会的ステータス」に興味はなく、ただただイイ仕事をしたい一心で

仕事に実直、ヘンな駆け引きよりも正しい道を選ぶ

というスタンスにみえるので、監査役の素養にピッタリあてはまるじゃない!と思っているのです。

 

社会に誠実でクリーンな企業であることを求められるこの時代、

強い責任感と非常に強い使命感を備えた監査役は重宝されるはずなのです。

 

 

 

次は、

経営環境と市場動向の面からみてみます。

 

先の監査役としての素養だけみると、ベンチャーだけでなく、

上場企業の監査役でも務まりそうに思えます。

ですが、ベンチャーと上場企業とでは、難易度が違うというのはお伝えしておきたいのです。

比較しやすいようにラフな表にしてみます。

 

ベンチャー企業

上場企業

【大前提】企業の体制

構築中 or未構築(その場対応)

確立。

ただし、時代に合わず刷新や改革を模索中

企業に必要なこと

トライ&エラー&トライ

スクラップ&ビルド

監査役の業務

一緒にトライ&エラー&トライ

スクラップの妥当性判断

ビルドの適切性判断

難易度

低いとはいえないが高くはない

非常に高い

(専門性があると優位)

 

誤解を恐れずに言うならば、

上場企業の監査役は失敗が許されないが、ベンチャー企業は少々の失敗は繰り返しても大丈夫

というのが私の意見です。

そもそもベンチャー企業は、新しいモノを世の中に広めようとしているので、

「通例」みたいなものにこだわりがなく、気にかけないといけない「前例」もありません。

とにかくやってみる、これが大事で、

やってみてダメなら軌道修正していけばいいんです。

 

どうですか?

ベンチャー企業なら、チャレンジできるかも。。。

すごい成長機会。。。という気になりませんか。

 

そして、市場はいま、女性役員の売り手市場なんですよ。

理由はダイバーシティと法改正です。

法改正により、上場企業は社内の生え抜きでなく社外の役員を一定数置くことが義務化されました。

更に、女性活躍に関する実態や計画の届け出も大企業は義務化されていますが、

対象企業が拡大され、小規模企業も範囲に入ってきます。

これらが相まって、

ベンチャー企業は、将来上場した時を視野に社外役員は女性にしよう、

ただし、取締役という経営を直接担う役割はレベルやビジネスセンスの相性が心配なので、

まずは経営をチェックする役割の監査役で、

という機運なわけです。

ビックチャンスが到来中なのですよ!

 

 

 

では最後の視点、働き方です。

 

ベンチャー企業の監査役で週5のフル出勤というのは珍しいのではないでしょうか。

多いのが週3~4日、しかも役員は雇用契約ではないので、法定勤務時間なるものもなく、

最初に会社側と交渉で決めるものの、割と臨機応変に稼働できるのが一般的な気がします。

逆にいえば、従業員のように、上司が業務進捗や内容をチェックしてくれることはなく

完全な自己管理なので、セルフマネジメントがとても大事です。

 とはいえ、

共働きでも母親の家事・育児比率が高い家庭がまだまだ多いことを考えると、

臨機応変に働けるというのは、ビジネスウーマンにとって1つの魅力になるのではないかと思っています。

 

役員は雇用契約ではないということは、労災は適用外、

辞めても失業給付手当はありません。

給与も高給を最初から望むことはまず無理でしょう。

でも、役員というキャリアの入場切符を掴めると、その先のキャリア選択は格段に広がります。

現状の給与から役員養成学校への学費を支払ってると思えるなら、そして

それで経済的に成り立つなら、チャレンジする価値はあると私は思います。

 

どうでしょう?

素養、経営環境と市場動向、働き方からみると、

監査役は女性が適任だと思いませんか?

私はものすごく適任だと思います‼

 

もちろん、監査のいろは はきちんと学ぶ必要がありますし、

絶えず情報のキャッチアップも必要です。

 

もしも経営責任を問われ訴えられた時に備え、

賠償金額の上限を決めることができる法律を使い、会社と契約をしておくのも大事です。

こういう細かいTipsは色々とありますが、

多くの向上心あるビジネスウーマンが

監査役に興味を持ち、

実際に監査役になり、

同志として共に企業の品位を高めていけたら嬉しいです。

 

ベンチャー企業の女性監査役交流会みたいなものを妄想すると

楽しそうでワクワクします。

それが実現する日を楽しみにしています!

 

 

今回は女性にフォーカスしたお話しでしたが、

年末年始は、ビジネスマンもウーマンも自分のキャリアを考える時間にしてはいかがでしょうか。

それだけでも楽しそう! どうか良いお年を‼

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